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JERCからのお知らせ

子どもが成長する過程で、年齢なり学年で学んでおくべきこと、習得しておかなければならな いことがあります。それを的確に判断し選択するのが親の仕事なのですが、親業も経験が浅いと 時すでにおそし・・・ということになりかねません。子どもが生まれてからひとり立ちするまで、 その時期に何が必要なことなのかを捉え与えていくことが、順調に成長していくためのカギにな ります。

<3 歳までの幼少期> 

生まれたばかりの赤ちゃんは、目が見えるようになるまで少し時間が掛かりますが、耳はすでに聞 こえています。この時期にお母さんはたくさんの言葉を掛けてあげてください。子どもは母親の声を 覚え、「言葉」というものを聞いて育ちます。 

2,3 歳になると多くの語彙を吸収する年齢ですから、語り掛け、ビデオや CD などで歌を聴かせ たり一緒に歌ったりしましょう。毎日の本の読み聞かせは大切ですが、お友達と遊ぶことも必要な時 期です。また “感性”を育てるために、散歩をしながら「あら、きれいな花! どんな匂いがするのか な?」と語り掛けてみてください。単語や短い文章が出てくる年齢でもありますから、子どもが話そ うとしているときの気持ちを尊重して、ゆったりと聞いてあげましょう。また人の話を聞く姿勢を養 うことも大切です。 

<4,5 歳の幼児期> 

知的好奇心が旺盛な時期で、急激に知的発達をします。ことばを使うことが嬉しくて得意げに話た り、大人同士の会話に割り込んで自分の話を聞いてもらおうとする、おしゃべりが楽しい時期でもあ ります。ですから幼稚園での教育はとても重要ですね。小学校入学準備のためでもありますから、家 庭での様々なサポートが望まれます。 

この時期にも毎日、本の読み聞かせをしながら語彙を増やしましょう。そして終わった後「今、お 話には何が出てきた?」「〇〇ちゃんだったらどうする?」と難しい質問もしてみてください。自分 で考えて発言する練習に加え、学習に必要な“記憶力”、“理解力”を育む訓練にもなります。 

この辺りから平仮名を教えていきましょう。先ず読めること。書く練習は少し先でよいでしょう。 ひらがな絵辞典を見たりカルタで遊んだり、楽しみながら覚えられるように工夫してください。そし て自分で絵本が読めるようになったとき、大きな喜びを味わうことができるでしょう。 

躾もしっかりいたしましょう。食事のマナー、ご挨拶、そして自分のことは自分でできるように! 日々の経験が積み重なって一歩ずつ進んで行きます。服の脱ぎ着、靴は自分で履く、簡単なお手伝い 等々も子どもは率先してするものです。また手を使う工作、料理の手伝いも喜んでします。親子で 取り組んでみてください。 

就学前の幼児期は言語の基礎を確立する上でも、人間形成を構築する上でもたいへん重要な時期であると云えます。母語である日本語をしっかり身に付けさせ、自分の考えを持ち、それを他人に 伝えることができる子どもに育てる、その重要な時期であることをお伝えいたします。 

次回は小学生と中学生についてお話いたします。 

2020 年 8 月 JERC 日米教育サポートセンター 代表兼教育アドバイザー 岩永 留美 

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