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JERCからのお知らせ

聞いてみよう! 子どもの教育

Q: 子どもはアメリカの現地校に通っていますが、イジメにあっているようです。
どうしたらいいのでしょうか。

日本では大きな社会問題となっている子どもによるイジメ。多民族国家アメリカの学校でも例に漏れずイジメ問題は起きています。様々な国の子ども達が学校に在籍していることで、民族間のトラブルが子どもの世界にも影響を与えているのが現状です。
また、現代は活発な情報社会の中にあって、大人同様子ども達も気忙しく、落ち着かない生活を送っています。このような時代に生きる彼らの中には、ストレスから友人といがみ合い、刺々しい言葉を吐き人を貶めるという、陰湿なイジメに走るケースが増加しています。現状をご報告すると共に、運悪くイジメに遭った場合の対処の仕方についても述べたいと思います。

1、 イジメはどうして起こるの?

人類にまだ“ことば”がなかった頃、人々の間には喧嘩やイジメという争いごとはなく、皆が平和に暮らしていたそうです。ところが“ことば”が作られたことにより、人間同士のコミュニケーションは活発になり、トラブルが多発したと云われています。言葉が人間を変え社会を変えていったのですね。今や“言葉による暴力”が子ども社会にも蔓延し始めています。
さてアメリカの学校では、どのような事が起こっているのでしょうか。長年の教育相談から、現地校で日本人子女がイジメに遭った事例を取り上げてみます。日本人同士のイジメや他国の生徒からのイジメなど様々ですが、それに加えアメリカの人種差別問題、現地ではこの問題にも直面せざる得ません。

① 海外での日本人同士のイジメ
日本人が集中して住んでいる地域では、一クラスに 4,5 名の日本人生徒が在籍している学校があります。ならば仲良く手を繋ぐのかと思えば、残念ながら足の引っ張り合いからイジメに発展するケースも少なくありません。
例として:*日本から編入したばかりの生徒に対し、英語力を問題にする。
*現地校で数年経つと、ELL プログラムの終了云々を問題にする。
*クラス内でへルプする側とされる側のトラブル発生によるもの。
*異文化の中での生徒自身のストレスから、人をイジメてストレスを解消をする。
これらの原因で起こる日本人同士のイジメの場合、自分と相手との比較から発生しているケースが多いようです。相対評価で教育を受けた保護者が、常に我が子を他者と比較しながら育てた結果、子どもの世界にも同じような現象が起こり、自分より優位な者への嫉妬が生まれます。それがイジメへと繋がっているようです。
また異文化の中で育つ子ども達は、英語での学習に閉塞感を覚えているのは確かです。母語と全く異なる“英語”の世界で生きていくことは、精神面への影響も大きく、度々“ストレス”となって他者への攻撃を繰り返す子どももいます。
イジメる方法も昔と異なり様変わりしています。以前は“村八分”にしたり無言電話を掛けたり、教師が話した内容を通訳する際に、違う内容を伝えたりする程度でしたが、昨今は、各自所持している携帯電話に入力しているシステム等を使って嫌がらせのメッセージを送るケースもあります。

② 日本人以外の生徒からのイジメ
言語、文化、習慣そして宗教、異文化の中で、人々が思い思いに暮らしているアメリカ、その違いを理解し容認するまでにはお互いに時間がかかります。現地のアメリカ人生徒からのイジメの場合、日本人に対して悪い印象がない限り深刻なものではなく、言葉(英語)ができないことを馬鹿にしたり、暴言を吐いたりするマイノリティへの差別発言でしょう。
一方、反日プロパガンダによるイジメは深刻です。 母国で“反日教育”を受けた親に育てられた子どもは、ほぼ親の言葉を信じて育っています。親世代が大量に米国に移住してきたことで、現地校にその子どもたちが増え、地域によっては日本人生徒へのイジメ問題が起きているのが現状です。
ある小学 2 年生の日本人生徒がクラスの中で、「日本は○○だ!」という嫌がらせの言葉を毎日のように浴びせられ、登校拒否するようになったケース、また高校生になると、言葉での攻撃に加え唾を吐きかけられたりするケースもあります。
教師からの心無い言動もあります。高校のサマースクールでの出来事。授業の中で真実ではない日本の歴史資料を持ち出し、「日本はこのように悪いことをした!」と話し出したそうです。日本人生徒は翌日、教師のところに出向き「昨日、先生が授業で言われたことは間違っている。日本の正しい歴史ではない!」と勇気ある抗議をしたそうですが、教師はまったく聞く耳を持たなかったという報告を受けています。アメリカの学校では、このような問題も起こるわけです。

2、 イジメられたときどうするの?

アメリカの学校では、校内で起こった生徒の問題は学校側が対処しますが、一歩校門を出て外で起こった問題は、学校側は一切関知しませんので保護者が対応することになります。学校内でイジメに遭ったときは、まず小学校であれば担任、中・高であればスクールカウンセラーに保護者が相談しましょう。担任やスクールカウンセラーで対処できない場合は校長へ。それでも良い方向へ向かわないときは、School District (教育委員会)に実情を話します。当人同士で話し合わないことが大事なことです。
またロサンゼルスに設立されている公益法人、JERC 日米教育サポートセンターでも教育相談をお受けしています。教育アドバイザーが様々な問題に対応しておりますので、お電話なりメールをいただければ解決へのお手伝いを致します。
日本人の保護者は“事を荒立てたくない”と考える人が多く、殆どが強い抗議をしません。子どもを守るために、保護者はもちろんのこと関係者の毅然たる態度が望まれます。

3、 親が子どもに教えておくこと!

子どもは自分がイジメに遭っていても、教師や親に訴えないケースがよくあります。子どもには日頃から学校内外でトラブルが起こった時は、まず親に報告をするように話しておきましょう。以前、イジメに遭っているのに仕返しを恐れて、親に何も言わなかった生徒がいました。しかしそれは返って問題を大きくし、学校を巻き込み保護者間のトラブルにまで発展したケースがあります。日頃から親子間のコミュニケーションをよくしておき、何でも話せる関係を築いておくことが望まれます。
現代におけるイジメは、ネットによる“言葉の暴力”が主流のようです。インターネットを利用して行うイジメ、中学生でも大人顔負けの行動には驚かされます。
このような状況では NO は NO とはっきり相手に伝えることが重要で、黙っているとイジメが増々エスカレートする可能性があります。この点を子どもに伝え、携帯電話の管理を子どもに任せない等の措置が必要ではないでしょうか。
イジメ問題では、イジメられる側の子どものケアーについて語られることが多いのですが、イジメる側の子どもへの教育も重要で、親はもちろんのこと大人の責任であると考えます。悪い芽は早く摘み取ることで“イジメっ子”から脱出させましょう。
子どもはいつイジメられる側、イジメる側の立場になるかわかりません。

4、 親は子どもを愛すること!

『親に愛されて育った子どもは人をイジメない!』と云われています。親の責任は重大です。親の無償の愛が“イジメっ子”を生まない、延いては、イジメられて苦しむ子どもを生まないことに繋がります。
全ての親が、我が子の成長が生きがいだと感じられれば、この世の中から他人をイジメるという、醜い行為を行う子どもはいなくなるでしょう!! それを願っています。