現地校で学ぶということ ~ 第二言語の英語で学ぶ子どもたち~
アメリカの学校教育は、良き市民をつくり民主主義を育てるという教育理念があります。一人一人が自分の考えをもち発言できるように育てることが、教育の根本にあるのです。
キンダーガーテンからハイスクール12年生までが義務教育ですが、5歳から人前で発表する経験をさせ、自分自身の意見を持つという訓練が自然に行われているのです。
また第二言語である英語で教育を受ける子どもたち、彼らがアメリカの教育を受けるということはどういうことなのか、保護者の皆さんに理解をしていただきたいと思います。
1)第二言語で学ぶということ
母語である日本語で学んでいても、成績が良い子も悪い子もいます。まして日本語とはまったく異なる英語で学ぶのですから、どれだけ厳しい世界なのか想像がつきますね。英語が好きな子ども苦手な子ども様々ですが、重要なのは母語である日本語でどれだけ学力が付いているかなのです。
その子の読解力、思考力が高ければそれを基に学習する言語が日本語から英語に変わっても、スムーズに移行していきます。従って海外で補習授業校や塾等で日本の学習をすることは重要であると云えます。
2)日本と米国、異なる学校教育の在り方
米国の学校制度と学校教育の考え方:
① 学校はアカデミックなことを教育する場、躾などは家庭ですること。
② 現地校は保護者のボランティアで成り立っている。校内でのボランティア活動は盛んである。
③ 成績の付け方は、日本は相対評価だが米国は絶対評価である。
④ 学校内での問題は校長や担任教師が対応するが、校門を一歩出ると親の責任範囲であるため、学校は関与しない。
⑤ キンダーから小学校までは担任教師がいるが、中学と高校は担任がいない。自分のスケジュールで決められた担当教師の教室に出向いて行く。
3)現地校で教育を受けさせるときの留意点
米国でお子さんの教育を考えられるとき、現地校を選択されるご家庭が多いのですが、英語学校ではありませんので誤解なきようお願い致します。英語で学ぶことにより「英語」という言語を身に付けるわけです。授業を問題なく受けられるようになるには、5年ほどかかるということも理解しておいて下さい。また子ども達は米国の教育を受けることで英語的思考、文化、習慣も習得し、所謂“アメリカ人”に育つということになります。時々、躾などの面で日本的に考える親と、アメリカンナイズされた子どもとの間でトラブルが起きます。その時は親子が歩み寄り妥協点を見つけて柔軟に対処されることをお薦めします。