三つ子の魂 百まで
「三つ子の魂百まで」という言葉をご存知でしょうか!「三つ子」とは、三歳の子どものことで幼い子どものことを言います。「魂」とは「心」「根性」「知恵」のこと。幼いころに育まれた「魂」は、百歳になってもかわらないという意味があり、「三つ子の魂百までというけれど、あの子は幼いころから負けん気がつよかった」などという言葉で使われています。幼いころに習ったり覚えたりしたことには用いません。
親や周りの大人からの言葉がけや対応によって培われる「心」が、幼 少期に育まれることをお伝えし、海外で幼少期のお子さんを育てておられる保護者の方々に、この大切な言葉をお送りしたいと思い ます。
1)アルファー語(具体語)とベーター語(抽象語)を育む
お母さんはアルファー語(見ることも触ることもできる言葉)でゆっくり話しかける。子どもは最初アルファー語を習得し、それからベーター語(見ることも触ることもできない言葉)の双方が習得されたところで『子どもの心』が生まれる。三つ子の魂である。『これはえほんね。これはリンゴ。これはボール』とお母さんは子どもに語りかけると、子どもは目で見て触りながら物の名前を覚えていく。語彙の習得である。それから幼稚園に通う年齢になると、そこでベーター語をしっかり身に付けさせる。大人の話を聞く訓練が始まる。先生の話が聞き分けられるようにすることが大切である。
お母さんは家庭の中で、頭の中で解ることばを育むことである。昔話やおとぎ話を毎日聞かせることで、見ることも触ることもできないことばを育む。
2)小学校で具体的言語の理解から抽象的言語の理解への移行
具体語から文字を読むことを始め、2,3年かかって抽象語のことばを読めるようにする。物語等フィクションの文章を読ませることで、抽象語ができるようになる。
参考文献:外山滋比古著「頭のよい子はことばで育つ」
言葉によって育まれる子どもには、先ず母語で母乳語(具体語)と離乳語(抽象語)を育てる必要があります。それが学習していく上でたいへん重要な要素になっているのです。
『三つ子の魂 百まで』、この言葉を時々思い出しながら、日々の子育てに励んでいただきたいですね!