COLUMN

日刊サン「教育コラム」

数学者の藤原正彦著「一に国語二に国語、三四がなくて五に算数」より、国語教育の重要性についてお伝えします。海外で育ち現地校で教育を受けている子どもたちには、母国語である国語の学習が最大の難関となっています。しかし日本人として育てることの重要性を考えたとき、とにかく国語教育は補習授業校や塾、そして通信教育などで継続して学んで欲しいと思います。

著書より抜粋

まずは母国語である国語を、強制的でも画一的でもしっかり叩き込むこと。漢字を覚えさせることです。私が数年の海外生活を通して痛感したのは、東西の名作名著や日本の文化に精通していることが、流暢な英語を話すこととは比べものにならないほど重要だということでした。
とにかく日本人の魂の中心である国語を身につけさせること。読書を好きにさせること。その次には算数の九九をきちんと覚えさせること。それを抜きにして創造性だ独創性だ、自分から考える力だといくら叫んだところで、そんなものは生まれるはずがない。
私はいつも「一に国語二に国語、三四がなくて五に算数」と言っている。初等教育における国語の占める割合は、それくらい圧倒的である。

現地校で学んでいる子どもの国語教育

母国語(日本語)で教育を受けている子どもと異なり、現地(英語圏)の教育を受けている子どもの場合、英語で学びながら日本語での学習も併せてすることになります。たいへん厳しい毎日であることは確かですが、それをクリアできる子どもとできない子どもがいるのが現状です。しかし国語だけは継続して学習するようにして下さい。家庭での指導が必須です。

音読、読解力、漢字に重点をおき、宿題があれば毎日少しずつするようにしましょう。できれば毎日短くてよいので日記を書くとよいですね。また旅行に出かけた際には、思い出を綴ってみるのも勉強になります。英語でも日本語でも文章を書くことが一番難しい分野ですから、焦らずゆっくりと進めてみてください。漢字はなかなか覚えられない子どももいます。しかし藤原先生が言われるように、強制的に毎日コツコツと覚えさせる指導が家庭において必要となります。いろいろな場所に漢字表を貼ったり、漢字テストがあればテスト勉強を親が手伝ったりすると効果は抜群です。
毎日15分でもよいので好きな本を読む習慣もつけましょう。読書が好きな子どもは勉強ができます。

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