幼児期の子どもを海外で育てる
幼児期のお子さんを海外で育てるとき、十分に注意していただきたいことは、まず母語である日本語をしっかり育てるということです。
1、6歳くらいまでに平仮名を読んだり書いたりできるように、自分の思っていることを親や他人に伝えられ、他人の言うことが理解できるようにしておくことが基本です。
2、語彙を増やすために、本の読み聞かせを十分にすること。自分で読みたがる時期になったら、簡単な絵本を与えましょう。日本の幼児番組などのビデオを見せることも、語彙を増やし文化を学ぶ手助けをしてくれるでしょう。
3、可能であれば、日本の幼稚園へ通わせてあげましょう。母語を習得するということは知的発達を促し、学んでいくための力、即ち学力を育てているのです。母語である日本語で学力を付けておけば、その力が英語での学習に移行し、スムースに現地校で学んでいくことができます。
幼児期の子どもを、母語が習得できない、理解できない空間に置いておくことがどれほど危険なことなのか、皆さんに認識していただきたいですね。日本語の語彙が少ないため、3歳になってもしゃべれない子、当然、思っていることが表明できない子が海外在住のお子さんの中に少なからずいます。
ことばは人間の成長に多大な影響を及ぼします。ご両親は、幼児期の子育てで何が重要なことなのか、真剣に考えていただきたいと思っています。英語を導入する時期を急がないでください。日本語での読み書きができるようになってからでも決して遅くありません。日本語の基礎を確立してから英語導入を考えてあげて下さい。短期滞在、長期滞在、そして永住予定のご家族すべての方々に、海外での幼児期のお子さんの教育についてこれからもお伝えしていきます。