日米教育お役立ち情報
~ あなたはお子さんをどう育てたいですか? ~
子育てしていく中でとても大切なこと、それは親が「我が子をどう育てたいのか」という信念をしっかり持つことに尽きます。家庭教育の中での躾やルールを徹底させるのはもちろんのこと、学校の選択、お稽古ごとや塾選びなど。そして海外では、日本語で育てるのか現地語(米国は英語)で育てるのかなどの重要な問題がたくさんあります。どうぞ、ご両親は信念を持ってお子さんのために決定なさってください。
ときどき子どもに選択をさせている方がおられます。例えば、日本の幼稚園に通わせようか、現地のキンダーにしようか迷われたとき、幼い子どもに選ばせるのです。これなどは言語道断。まだ生を受けて4,5年しか経っていない子どもが、何を基準に判断するのでしょうか。彼らが選択する基準は「友達がいる」、見学をしたら「楽しそうだからここに来たい・・・」など、低レベルの判断になるわけです。大切な子どもを預けるのですから、教育機関の設備やシステム、費用、教師の質の問題等、大人の目から見て判断しなければならないことがたくさんあります。
身体を鍛える目的や情操教育のために水泳、体操、音楽やバレエそしてアートと、お稽古通いに子ども達も忙しい毎日を送っています。そのお稽古事も、子どもが習いたいと希望しただけで決めるのではなく、本当にやる気があるのか、長く続けることができるのか、そしていま必要なことなのかなど、総合的に親が判断することが大切です。「隣の子どもが習っているから」とか、
「友だちが習っているから」というだけの理由で始めると、絶対に長続きしませんね。『継続は力なり』という諺どおり、何でも長く続けることが、子どもへのプラスになるのです。
また、英語のレッスンや塾に関しても、親がしっかり見定める必要があります。子どもが得てきた情報や他の人からの情報だけで選択しないことです。必ずご自分の目や耳で確かめること。
そして信頼できる教師かどうかも大きな判断基準になります。親が信頼できる教師の下で子どもを教育してもらうことが大変に重要なことですから、決して子どもだけの判断に任せないように
致しましょう。
以前、子どもの希望をいつも叶えてきたお母さんからのご相談がありました。お子さんが幼いころから、習いたいと言ったものは習わせ、行きたいと言った所へは連れて行く。子どもにとってはとてもよいお母さんだったのでしょうが、やがて成長し、中学、高校になったころから、母親の言うことを全く聞かなくなってしまったと訴えてこられたのです。そこで私はお話しました。
「だってお母さんはお子さんが幼いときから、希望するすべてを聞いてきたではありませんか。今頃になって親の言うことを聞かないと嘆くのはおかしいですね」。そのお母さんは何も言えなくなってしまったのです。
欧米では、子どもが幼い頃は「親の言うことはすべて聞かなければならない」と育てるそうです。就学すれば「学校の先生の言うことはすべて聞かなければならない」というルールが加わります。そして成長すると共に自分で考え判断する、そしてその責任を取ることを教えていきます。
我が子の学校教育をどこに委ねるのか、情操教育をするには何を習わせたらよいのか、また学校以外の補助的学習や受験のための学習をどこに依頼するのか等々、基本的に親が選択をするという姿勢を子どもに示していきましょう。当然、子どもも高学年になれば自分自身の考えを表明しますから、親子で話し合うことも必要になるかも知れません。
子どもをどのように育て、どのような教育を与えていくのかは、親の責任としてそのつど判断し、選択するようにして下さい。子どもの言うことを聞き、何でも選択させる親は、自分に自信がない人であり、親の責任を回避している人であることは間違いありません。