カギとなる家庭教育

日米教育お役立ち情報

~ 夏休みにステップ・アップを!! ~

今年も、子供たちの長い夏休みがやって来ました。学校生活から開放され、環境の変化に喜んでいる子も多いことでしょう。ところが、お母さんはたいへんです。『この2ヵ月半、子供と向き合って面倒をみるわけですね』という、ため息ともとれる声をよく耳にします。ご自身の自由時間も欲しいところですが、夏休みこそ充分にお子さんと向き合い、生活してみてください。
子供は、この夏休みにこそ目覚しい成長をします。家庭教育によって驚くほどのステップ・アップが計れるのですから、絶好のチャンスと捉えて、手間と時間を掛けてみましょう。
夏休み期間というのは、学校での学習に変わり、家庭で継続して学ばせていかなければなりません。
学習面と生活面、両面の育成が望まれます。

生活面

夏休みは、親と子のよいコミュニケーションづくりができるチャンスです。家の仕事や料理を手伝わせることで、親子が共有できる時間を作りましょう。普段、なかなか出かけられないような場所への家族旅行を計画し、見聞を広めることもよいですね。日本への一時帰国も、日本の文化に触れることができる良い機会になります。
子供だけで参加するサマーキャンプでは、自立心や独立心を養うことができます。年齢に合ったプログラムを選びましょう。勉強だけでなく、心身を鍛えるのによいチャンス共同生活、アクティビティへの挑戦などで、お子さんは一回り大きく成長します。
英語力が充分でない日本人子女にとっては、ことばを学ぶよいチャンスでもあります。できるだけ一人で参加させて、どうしても英語で対応しなければならない状況を作りましょう。それが会話力を伸ばす最良の方法です。現地の人と、ことばでコミュニケーションが取れるようになれば、学習面でも自信がつき、精神面へもよい影響を与えます。

学習面

毎日、家でコツコツ勉強をしたかどうかが、学力差となって表れます。計画を立て、習慣づけましょう。9月からの学校生活に大きく影響を与えることになりますので、とても大切なことです。
まず「英語」に関してですが、夏休みは家庭の中で過ごすことが多くなり、英語環境から遠ざかってしまうことになります。サマースクールなどに参加し、「英語力」をつけるための勉強をできるだけ途切れることのないように続けさせて下さい。Reading, Writing, そして文法の学習に力を入れておくことです。
Reading力の向上は、教科を学ぶうえで必須です。Writingは、ものごとを論理的に組み立て、考える力を育てます。そして文法は、会話力を高めるためにも、当然、英語で学習していくためにも必要不可欠です。

また夏休みは、日頃あまりできない日本語の勉強をさせるチャンスでもあります。作文、感想文、日記など、日本語で文章を書く練習をたくさんさせて下さい。日本の親戚や友人に手紙を書かせるのもよいでしょう。お休み中は、本をたくさん読むこともできますね。日本語でも「文を読む力」をつけておくと、英語のReadingにも良い影響があります。
「漢字」は、学年レベルを確実に習得しておくことが大切ですので、夏休み中に前学年の復習をさせましょう。本などを書写させることで、日本語構文を習得することもできます。

保護者の方へアドバイス

夏休み中に、お子さんを日本の学校へ「体験入学」させるご家庭があります。長期間、日本語で学習をさせていると、今まで培った「英語力」が落ち、9月からの新学期に影響を及ぼすことになります。「言語」は、日々の積み重ねで力がつくものですから、「英語」から遠ざかっていれば当然のことと言えますね。特に滞在2年以内のお子さんの場合、英語力が伸びている大事な時期に、日本語環境に長く置いておくのはあまり感心できません。また、学習言語を短期間で変えてしまうのは、子供にとって有益なことではないようです。現地校で学んでいる子供の学習言語は「英語」です。英語力をつけていかないと、いつまでも学校で学んでいけない状態をつくることになります。
夏休みは、各家庭の教育方針が顕著に表れるのですが、家庭教育の在り方によっては、お子さんの高いステップ・アップが望めます。親子二人三脚でガンバリましょう 日々成長する子供に“学習の休息”はありません。目標を設定した学習計画、旅行計画を立て、できるだけ規則正しい生活が送れるように導いて下さい。お子さんと共に、どうぞ有意義な夏休みをお過ごし下さい。