子煩悩な父親はよい子を育てる

日米教育お役立ち情報

~ 絶大なお父さんの影響 ~

成績のよい子、学力の高い子どもの父親は、その多くが子煩悩であるといわれています。米国でも以前、父親が教育熱心な家庭の子どもは、優秀であるというデータを発表しました。
子育てを「母親の仕事」と考えがちな日本の“お父さん”、かわいい子どもに影響を与える「父親の役割」を充分に認識してください。
仕事に追われ帰りが遅い方、出張がちな方も多いと思います。帰宅時間が早い日を見つけ、また土・日のゴルフを1日だけにして、ぜひお子さんと遊んであげましょう。家の中では、積み木あそびやブロックあそび、抱き上げて“飛行機ごっこ”など、お子さんと関わりながら、いろいろなおしゃべりができますね。お天気のよい日には近くを散歩しながら、虫の話しや草花について、お父さんの知っている限りを話してあげるのです。公園でたこあげやキャッチボールもいいですね。またお弁当を持って、ピクニックに出かけることも子どもは喜びます。動物園や博物館、そして小学生になれば美術館や音楽会などにも連れて行ってあげましょう。あらゆる場所が知識の宝庫ですから、動物の名前や生態、そして様々な歴史を話してあげることもできます。幼少の頃からよい音楽を聴かせ、有名な絵を鑑賞させておくことも、よい影響を与えることになります。子どもが親と一緒に出かけるのも、小学生ごろまででしょうか。中学生以上になると、友人と出かけることを好み、親とは行動を共にしなくなりがちです。
子どもは、父親とのおしゃべりを楽しみながら語彙を増やし、言い回しを会得していくようです。母親から得るものとは異なった知識も習得し、言語も豊かに育っていきます。母親は日常に追われ、口調も命令形で抑圧的なものの言い方になりがちですね。毎日ガミガミ言われているので、子どもも聞き流してしまう傾向がありますが、ゆったりと余裕をもって対応してくれる父親には、新鮮で素直に耳が傾けられるのでしょう。
もう一つ、父親の重要な役割があります。それは、常に子どもに接している母親の話しをよく聞いてあげることです。毎日の子育ては、会社で仕事をするのと同じぐらい大変なのです。母親は、大切な子どもを日々養育するという、重要な仕事を担当していると思ってください。その「親業」も経験が浅く、不安や戸惑いも多々あります。母親が相談してきたときや不安を訴えたときには、どうぞ真剣に聞いてあげてください。そしてどう対処したらよいのかを充分に話し合うことです。母親がハッピーでないと、子どもによい影響が与えられません。

毎日教育相談に携わっている中で、ときどきお子さんの問題に悩むお母さんからの相談があります。お子さんの問題点を矢継ぎ早に話されるのですが、よくよく聞いてみると、実はお子さん

 

が悪いのではなく、お母さんの問題なのです。お母さんのイライラが子どもを変えてしまってい
たのですね。そのイライラの基はお父さんであったりすることが多く、ご相談の結果は、お気の毒ですが「お父さんが非協力的ですね。よい父親になれるよう育ててあげましょう」という話しで終わります。
子どもの非行や登校拒否なども、家庭の中での父親の影が薄いことが影響しているようです。父親からの愛情を感じないで育った結果と言えます。子どもが幼い頃から、父親の知っている限りの知識を与え、考えていること伝える、また子どもの意見も充分に聞いてやる姿勢をもつ、このような親子関係を築いていくことがとても大切です。
父親に深く愛してもらった子どもは、言語能力をはじめ、運動能力、社会的能力、そして人格のすべてにわたって、その基礎が培われていくといわれています。
外で7人の敵と戦っているお父さんは、お仕事も大変でしょう。しかし長い人生、子どもと関わっている時間は短いのです。とことん向き合って、おしゃべりしてあげてください。